出産のこと 4
出産の準備が始まった頃には子宮口9cm。
本当は10cmになってからじゃないと出産には入らないんだけど
もう我慢できない私の様子を見て準備に入ってくれた。
その時は痛い、とか、苦しい、じゃなくて
すごい勢いで何かが突き破って出てきそう、な感じ。
よく出産はエイリアンが体を破って出てくる感じ、という話をきてたけど
まさにそれっ!て思えた
助けて~!!! って叫んでたような気がする・・
意識朦朧としててほとんど覚えてないけど。
出産の苦しみは言葉には表せない。
そんな中で準備が整い、やっと、いきむ体勢に。
最高潮に達していた陣痛の波と共にいきみ開始。
誰に言われなくても、いきむタイミングが分かる。
本能。かな・・
1回に30秒位息を止めてありったけの力でいきむ。
パスカルも一緒に息を止めていきんでた。
そのいきみが終わった瞬間に毎回ものすごい痛みが襲ってきた。
あれは何だったのかな・・?
十分に息を吐ききって、またいきむ。
実はその時までは、あと数回いきめば出てくるもんだと思ってた。
あまかった~
いきむこと、すでに2時間。
体中汗でびっしょり。
体力も限界に近ずいていた。
・・出てこない・・
思わず涙が出てきてしまって弱気になった私に、助産師さんは常に励まし続けてくれていた。
(泣き叫ぼうが、文句言おうが、いつもやさしく対応してくれたこの順天堂の助産師さんは本当にすばらしかったです)
それにしても、後この数回で産めなかったら、もう本当にできない、と思い
これが最後!という気持ちでまたいきみ始める。
頭が見え始めていた(らしい)ので、医師も入ってきて、いよいよラストスパ-ト!
医師が会陰切開をして助産師さん2人がかりで赤ちゃんを引っ張る。
とにかく、いきむ!いきむ!いきむ!
そして、「もういきまないで」 の声が聞こえ、後は助産師さんたちに任せる。
何かを無理やり引き出されてる感じ・・
お願い!出てきて!
そのあと、ずりっという感触と共に、なにかがでてきた!
静まり返った陣痛室の中にぼんやりと”何か”が見えた。
その瞬間、
「ぎゃああああ~~~~~!!!!」
とすごい声が!
赤ちゃん!!
そして、「3時15分です。おめでとうございます!」 の声が聞こえて、
近くに赤ちゃんを連れてきてくれた。
びっしょりぬれて、たくさん血がついて、ふにゃふにゃ泣いてた。
やっとあえた感動、というより、
やっと終わった安堵感、無事に出てきてくれて安心して、そしてこの苦しみから解放されて、と
いろんな思いが駆け巡って、号泣していた。
赤ちゃんのからだをきれいに拭いてもらって、カンガル-ケア。
誰も教えてないのに、一生懸命おっぱいを探して飲んでる!
薄目を開けてこっちをみてる!
あったかい。
すごい!命だ!
妊娠中、前置胎盤ぎみで、突然大出血から始まり2ヶ月間ベッドから動けなかった絶対安静の頃、
救急病院に駆け込む度に、
”赤ちゃん、お願い!いかないで!”
と、何度泣いたか分からない。
そんなことも思い出しながらやっぱり涙が止まらなかった。
レイ、会いに来てくれてありがとう。
生まれてきてくれてありがとう。